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第一章 はじめに
企業にとって、社員に対する評価制度を決めることは避けては通れない道である。
ましてやそれをどう給与に反映させていくかとなるとそう簡単には最善の方法は見つからない。
よく募集広告などで、「当社は実力に応じ実績評価します!」
といったコピーを見かけるが、本当に実績評価しているのだろうか。
そもそもこの「実績」とは、何を指しているのかも疑問だ。
一つの会社の中には、事務職や営業職や技術職など様々な分野の社員たちが働いている。
また、管理職などあまり実務に直接関与しない立場の人たちも在籍している。
当然、同じ評価制度が全ての社員に対して適用できてるはずはない。
仮に営業職であれば個人の売上数字が明確になるため、それを実績と言ってしまえば、確かにその通りとしか言い様はない。
がしかし、デザイナーのような技術を売りにした職種の場合、一概に売上実績だけでは判断できないところがある。
また、個々の技術力評価というのもあるが、どこまでの範囲の技術を基準にすれば公平と言えるのかが難しいところだ。
中には、デザイナーの売上数字自体を実績評価とし、それを給与に反映させている会社も実際にはあるが、これは、社員の側からすると間違いなく不公平感が漂っているはずだ。
なぜなら、デザイナーの場合、すぐには数字に直接結びつかない業務を行うことも多々ある。
営業が取ってきた仕事に対し、利益率のいい仕事だけを自己判断でチョイスするという訳にはいかないからだ。
その時点で、デザイナーを数字のみで判断しなければならないとしたら誰も利益率の悪い仕事はしたがらなくなるだろう。
例えそれが、ゆくゆくは会社に必要な業務であってもだ。
それらを踏まえて考えると、やはり絶対に不公平感を出さない評価制度は存在しないというのが現時点での私の答えだ。
いずれにしても、絶対的な公平な評価制度がないにしろ企業は何かしらの基準を設け、社員を評価していかなければならない。
また、それを社員に対し公表することで社員のモチベーションを上げたり、安心感を与えたりすることが評価制度を作る上での大前提だと考えてる。
社員のモチベーション下げるような評価制度ではそもそも作る意味はないのだ。
第二章 ラプターの考える評価制度とは
過去、ラプターも試行錯誤しながら社員の評価に対して様々な取り組みをしてきた。
特にうちのスタッフの7割をしめるデザイナーに対してだ。
当然、社員のモチベーションが上がるような評価制度を常に目指しているがただ単にモチベーションが上がったというだけではなく、それにより、最終的には会社の業績アップに繋がっていかないと作る意味はないと考える。
通常、期が変わるタイミングで社員の給与が変わるのが一般的だと思うがラプターは基本、随時評価を実行している。
つまり、あきらかに成果を出しているスタッフ、スキルが間違いなく上がったと判断したスタッフに関しては、時期に関係なく給与をアップさせるという訳だ。
異例の早さで給与だけでなく役職を付ける場合もある。
(逆に言うと給与が下がる場合もあり、役職降格もある訳だが・・。)
捉えようによっては、入社時期関係なくいつでも誰もにチャンスが平等にあることになる。
自分が若い頃だったら間違いなくこんな会社があったらうれしかったはずだ。
なぜなら、多くの会社は1年に1回しか給与(ボーナスは除く)は変わらず、成果を出していてもいなくても1年間は全く給与に変化はないからである。
とは言え、これもうちもスタッフからすると賛否両論で、そんな変動はない方がいいと思うスタッフもいるのは承知の上だ。
上がったり下がったりするよりは一定の方が気持ちの上で安心なのだろう。
但し、ラプターのようなベンチャー企業でこのような守りの考えを持ったスタッフはなかなか生き残っていけない。
そして何よりそのようなスタッフが多くいた場合、会社としても他社に勝ち抜いていくことはできないだろう。
以上のような考えから、社員には多くチャンスを与えつつ、適度な緊張感を持たせる意味で、随時評価を実行しているのだが、実はこの評価対象を何に置くかということを決めるのが最も難しく毎回試行錯誤しているのだ。
そして、なぜ少なくとも半期に1回評価制度の改訂の必要があるのかというとその時々で、スタッフのスキル、スタッフの人数、会社の状態などの変化で以前決めた制度が最善ではなくなるからだ。
以前行っていた評価制度を一つ紹介しよう。
「デザイナーなら既に技術力は持っていて当然」という所からスタートして技術力以外のプラスαの部分、コミュニケーション能力や提案力を評価対象にしていたこともある。
いかにクライアントに対し提案できるか、更にはいかに自分を売り込めるかが評価の対象だ。
これは、デザイナーとしての技術力はそれなりにあるのだが、お客様とのコミュニケーションが上手く取れないスタッフには少々分が悪い制度だった。
逆の例もあり、デザイナーとしての経験値は少し低くても、お客様にはすごく気に入られ毎回指名を受けるようなデザイナーもいた。
コミュニケーション能力をいかんなく発揮した例だ。
この制度は、施行当初は盛り上がりを見せたが、尻つぼみといった結果に終わりあまり会社の業績に直接繋がるような結果にはならなかった。
ここではあえて触れないがそうなった原因は明確だった。
であれば、分かりやすくデザイナー一人ひとりの売上数字で評価したらどうだろう。
これは、ある程度の経験に裏付けされた技術力、更にはスピードと精度が要求される。
時間は誰しも同じように与えられているので、同じ時間費やすとしたら、量をこなせるデザイナーの方が圧倒的に有利だろう。
もちろん業務によって、利益率のいい仕事とそうでない仕事があるにはあるが、「スピード」と「精度」を持ってさえいれば、クリアできるはずだ。
但し、この評価制度も絶対平等とは言えない。
なぜなら、既に力を持っているデザイナーには決まって仕事が集中してしまうのが常だからだ。スタート時点で必ずしも平等制が保たれている訳ではないということだ。
どちらにしても、職種に関わらず仕事は待っていても来ない。
「自分から取りにいかなければならない」という意識で臨んでもらいたいものだ。
そうしたらきっと、結果は後から付いてくるだろう。
つづく
